マヤの若者たちとの交流 2011-2012 年

中央アメリカ・グアテマラ共和国の首都から車で1時間ほどの古都「アンティグア」に近いサンファン・デル・オビスポ村の子どもたちとそこから2時間ほど離れたサンファン・コマラパ村の青少年たちが短いビデオ(デジタル・ストーリーテリング)を作りました。

サンファン・デル・オビスポの子どもたち

アンティグア, グアテマラ, antigua, guatemala
アンティグアの街から望むアグア火山 短編映像を制作した子どもたちが暮らすサンファン・デル・オビスポの街はアグア火山の麓にあり、チョコレート(日本ではココア)の産地としても有名です。
marinba, antigua, guatemara
サンファン・デル・オビスポ村のマリンバ教室に通う子どもたちによる演奏会 2011年9月アンティグア

私設博物館「カサムセオ・ルイス・デ・リオン」はマリンバ教室を併設し 国の伝統音楽・マリンバ演奏を習うことでマヤ文化の理解を促しています。また、希望すれば演奏家として自立できるよう 一流の講師を招いています。経済的に困窮する家庭の子どもが通えるように受講料は無料とし、運営資金は人々の寄付で賄われています。

 

開始から10年目を迎える2017年 ここに通ったある生徒がマリンバを専攻できる難関の音楽大学に進学しました。

ビデオ「マリンバ」を制作したジョナタンです。ほかにファンカルロスはシェフとして、エステファニーは医者の卵としてそれぞれに働き始めるなど 当時の小さなビデオ作家たちは成長しました。子どもたちの多くは家庭の事情により音楽や勉強を継続できない場合が少なくありません。しかし この活動への支持は着実に広がり 現在は20名を超える地元の子どもが通っています。(2017年3月館長マヤリさん談)

 



ビデオ作品

マリンバ

人生の物語

僕の人生


サンファン・コマラパの若者たち

一軒に一人は文化人類学者が住んでいる、と言われるほどマヤの伝統的な暮らしぶりが注目を浴びた地域ですが、その後の内戦では甚大な被害を受けました。今では、それらの経験を壁画で記憶する活動を街の青年たちが担っています。
映像制作者の中には家計を助けるために学校に行かずに働き始めた若者が少なくありません。仕事を得るにも窮する経済環境にあるからです。コマラパ村では6つの青年グループが提供するダンスや演劇などのアート活動を通じて将来への希望をつないでいます。内戦の傷跡を感じずにはいられない作品群です。

コマラパ村はマヤ・カクチケル語族の人々が描く素朴画で有名な街です。
コマラパ村はマヤ・カクチケル語族の人々が描く素朴画で有名な街です。



ワークショップ協力/実施 新川志保子、石川智子(日本ラテンアメリカ協力ネットワーク・レコム)/池田佳代(おおた市民活動推進機構)