(上)エルサウセ郊外のヨハンナさん、急斜面での栽培を可能にするための石垣のほか倒木も利用して土留めをしている。大きく育ったピピアン、手作りの堆肥、放し飼いの鶏から生まれた雛など循環型の暮らしがうかがわれた。もともと農業は行なっていなかったが、家庭菜園から始めて、現在は23歳の息子さんが生産農家を営むまでになったと満足そう。
(下)El Guayabo地区はさらに山を登ったところにあり、テレンシオさん宅を拠点に家族単位の生産研修を行ったという。子供時代から参加した娘さんは現在、主要な生産活動の担い手に成長。有機栽培コーヒーやバナナが美味しいと評判、屋根に瓦を吹き壁を作ることができた、住民同士協力して道を整備し路線バスが通るようになった、など良い変化が起きている。
共有地の木は切らないで残す、ある程度成長したら材木用に切るなど選別して印をつけている。
ブエナビスタ地区のキシオマラさんは乾いた土地に木を植えて、自家製堆肥で栽培を続けるうち、水が湧き出て小川ができ、乾季でも水に困らなくなった。諦めずに継続することが大事だと感慨深そうに話してくれた。
(下)サンタロサの街の中心部から5kmほど険しい山道を登ると、大きな石が目立ち路面にも石がゴロゴロした走りにくい道に変わる。多くの住民は歩くか馬を使って街に出るという。
まずは自宅にユーカリを植えるところから始まったと話すロレンソさん。裏山にも
ユーカリを植えて茂みをつくり、少しずつ材木用を植え、果樹やコーヒー、カカオなど種類を増やした。岩だらけの斜面は植林を始めた10年ほどで土が定着し、落葉する山に変化し、煉瓦造りまで始めた。水は近くの水源が絶え間なく湧き出るように変化したことで周辺の家で共同利用し、自家栽培田畑にも引いていた。この乾燥した山の頂上で米を作っていいたことは驚き。
ケプラダ・サンタ・リタ川に接しているエルチャルコ地区のオマールさんは、内戦後の入植当時の様子も話してくれた。以前は土作りのリーダーだったが、この活動に参加してから環境問題に関心が強くなり、環境について詩を作りラジオで披露しているという。